昭和31年を舞台にした映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』には、血液製剤Mで莫大な富と権力を握る“龍賀一族”が登場します。
彼らのモデルとしてしばしば取り沙汰されるのが、旧日本陸軍731部隊の細菌兵器研究と、売血ビジネスで薬害を引き起こしたミドリ十字(グリーンクロス)です。
本記事では、龍賀家の家系図・権力構造を整理しつつ、731部隊とミドリ十字の史実を対比。さらに血液製剤Mの“実話度”や昭和30年代の薬害・闇医療事情を紐解き、「モデルは実在するのか?」という疑問に迫ります。
- 「ゲゲゲの謎」龍賀一族の家系図
- 「ゲゲゲの謎」龍賀一族のモデル
- 旧日本陸軍731部隊の考察
- グリーンクロスの考察
- 「ゲゲゲの謎」血液製剤Mのモデル



「ゲゲゲの謎」龍賀一族の家系図・権力構造
昭和31年、哭倉村を牛耳る龍賀一族は政財界にまで影響力を伸ばし、“血液製剤M”を独占製造することで莫大な富を築いていました。

- 長兄・時貞の急死をきっかけに跡目争いが勃発
- 一族専用の私設警察・研究所・私有鉄道まで保有
- 村人・幽霊族双方を労働力や実験材料として搾取
- 財閥+軍閥+カルトが融合したような体制が描かれている
「ゲゲゲの謎」龍賀一族のモデルはどこ?
龍賀一族のモデルは昭和30年代に血液製剤で大きな話題となったのは旧日本陸軍731とグリーンクロス(ミドリ十字社)の歴史背景だと考えられます。
- 旧日本陸軍731部隊
生物兵器の研究と量産 - グリーンクロス
血液を売買する血液銀行の設立
龍賀一族と旧日本陸軍731部隊の考察
旧日本陸軍731部隊は1936〜1945 年に細菌兵器研究を実施していた軍の部隊です。
「731 部隊」は 1936 年に石井四郎軍医中将が満洲・平房(ハルビン郊外)に創設した大型研究都市(約 6 km²)で、細菌兵器を研究・製造・実戦配備をしていました。
当時の記録では培養棟、動物感染棟、ノミ孵化棟(4 500 基)、発酵タンク群、冷凍低温室などが準備されていました。
毎月トン単位で病原体を工業生産できる体制が整っており、中国人・ロシア人捕虜を中心に生体解剖、凍傷実験、高圧試験、意図的感染観察が行われ、犠牲者は 3 000〜12 000 人と推定されています。
この人体実験の流れは「ゲゲゲの謎」で幽霊属を拘束して血液製剤Mを作っていた状況と時代的にもモデルになっているのではないでしょうか!
龍賀一族とミドリ十字の考察
ミドリ十字とは元陸軍医中佐(旧日本陸軍731)の内藤良一によって設立された日本発の血液銀行「株式会社ブラッドバンク」です。
売血中心で品質管理が甘く、肝炎・梅毒など感染リスクが高いまま流通させたと批判された。
「ゲゲゲの謎」の時代背景も昭和31年であり、血液製剤をテーマにした点からグリーンクロスがモデルではないかと考察しています!
龍賀一族との共通点を比較
共通点 | 731部隊/ミドリ十字 | 龍賀一族 |
---|---|---|
閉鎖空間 | 満州・敷地外立入禁止 | 哭倉村:外界遮断 |
人体実験 | 凍傷・疫病実験 | 血液製剤M臨床 |
政財界コネ | 軍医エリートは戦後製薬界 | 参議院議員・財閥連携 |
“M”の符号 | M資金(GHQ陰謀説) | 製剤名=M |
血液関係 | 血液売買 | 血液製剤Mの大量生産 |
ポイント
- 制作側は具体名を伏せる一方、昭和の薬害・戦争犯罪の“要素”をコラージュ
- 監督インタビューでも「誰か一つのモデルではなく“昭和の闇”の象徴」と説明されている
「ゲゲゲの謎」血液製剤Mのモデルとは?
血液製剤Mは「ゲゲゲの謎」で作られた架空の血液製剤で、人間の生存能力を高める秘薬です。
- 能力を最大限に引き延ばす
- 食事・睡眠をとらずに活動が続けられる
「ゲゲゲの謎は」昭和31年頃が舞台になっており時代背景から戦後日本がもう一度立ち上げるために手掛けた薬であることは間違いないです。
当時、売血というものが流行っており貧困層は血液売買で日銭を稼いでいたことからインスピレーションを受けたのかもしれませんね。
昭和30年前後は第1次覚せい剤汚染期とされており、当時はヒロポン、ヘロイン、睡眠薬などが乱用されていたことも「血液製剤M」のモデルになっていそうですね。
この時代から薬の取り締まりが厳しくなったとされています!
血液製剤M誕生の経緯と人体実験
幽霊族の血液が持つ自己修復因子を“永遠の命”に転用する計画の中で、龍賀家は住民を半ば誘拐同然に幽霊属を拘束して連日の臨床試験をおこなっていた。
副作用で死亡した幽霊属の怨念が「狂骨」へ変じ、一族自身をも呪いはじめる。
血液製剤に関する歴史
血液製剤・血清治療の歴史と課題
- 1889年:北里柴三郎が世界初の血清療法を確立
- 1940年代:戦地での大量輸血需要から乾燥血漿、血液置換液が急拡大
- 課題―免疫反応・ウイルス混入・大量保管コスト
終戦直後の闇医療・違法輸血事件
敗戦で医薬品が不足した日本では闇市場での血液売買が流行した。
- ブラックマーケット血液が横行(未検査でB型肝炎多発)
- 1960-70年代に薬害SMON、1980年代に薬害HIVが社会問題化
結論
「老化抑制+即効治癒」の万能血液は現医学に存在せず、血液製剤Mは“もしも当時の闇研究が妖怪血清を得てしまったら”というフィクション上の極端設定ですんね。
こういった背景から昭和30年代以降、医薬品の規制に関する取り締まりが厳しくなったと言われています!
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FAQ:ゲゲゲの謎|龍賀一族のモデル
Q1. 龍賀一族のモデルは本当に731部隊?
A. 公式には明言されていませんが、人体実験・閉鎖拠点・政財界コネなど多数の共通点が指摘されています。
Q2. ミドリ十字と似ている点は?
A. 売血中心の血液ビジネスで薬害を起こした歴史や、設立者が元731部隊関係者だった点が作中の血液製剤Mと重なります。
Q3. 血液製剤Mは実在した?
A. いいえ。昭和当時の技術では不可能で、あくまで“もし闇研究が妖怪の血を手にしたら”という架空設定です。
Q4. 昭和30年代に実際に問題視された薬は?
A. ヒロポン(覚醒剤)、クリオキノール(SMON)、サリドマイド、売血による未検査血液などが社会問題になりました。
Q5. なぜ映画は具体名を出さないの?
A. 監督インタビューによると「昭和の負の遺産を象徴として描き、観客自身に歴史を照らし合わせてほしい」ため。
Q6. 鬼太郎の父が残った“目玉”と血液製剤Mに関係は?
A. 物語内では直接言及されませんが、“不死と呪い”というモチーフで共振し、血液製剤Mが生んだ怨念=狂骨と父の犠牲が対比的に描かれています。
まとめ:ゲゲゲの謎|龍賀一族のモデル
龍賀一族は「財閥+軍閥+カルト」が融合した支配者像
私設警察・研究所・鉄道を持ち、村人と幽霊族を労働力に搾取
モデル候補は旧731部隊とミドリ十字
731=人体実験と大量生産、ミドリ十字=売血と血液製剤ビジネス
血液製剤Mはフィクションだが、動機は史実の闇医療
「老化抑制+即時治癒」という万能効果は現医学に存在しない
昭和30年代は薬害元年
売血肝炎・ヒ素ミルク・覚醒剤汚染などが規制強化の引き金に
制作側は“昭和の闇”を象徴化
特定の企業や事件を断定せず、複数の史実要素をコラージュ
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